ファレホをエアブラシ塗装すると必ず遭遇する避けては通れない詰まりの問題。塗装がド素人のワテクシですが、ワテクシなりに何が起こっているのか考察し、その対処方法を考えて実践してみました。
あくまでもワテクシの塗装環境やら諸条件で上手くいっているよ〜程度の参考例ですので、こちらでお勧めしている方法が必ずしも皆様の環境下で良い結果を出すとは限りませんが、詰まりにお悩みの人がいらっしゃいましたらぜひお試し下さいませ。
1.塗料は水で希釈
ファレホやシタデル等の水性アクリル塗料をエアブラシで吹くとニードルの先端に塗料が固まって詰まってしまうという話をよく耳にするかと思います。
恐らくですが、一番の原因は塗料の乾燥速度が他の塗料に比べて早い事に起因しています。なので塗料を希釈する溶剤を工夫する事で若干改善されます。
例えば乾燥速度を遅くさせるためにリターダー(70.597)や、フローインプルーバー(71.262)等を添加すると若干改善されます。
逆にファレホシンナー(70.524)やエアブラシシンナー(71.061)等の溶剤系を入れると乾燥速度を早めてしまい詰まりやすくなるので気を付けましょう。溶剤は水よりも乾燥速度を早めます。
現在のワテクシの場合はフローインプルーバーを数滴おまじない程度(全体の1〜2割程度、もしくは気分次第w)に入れて、実際に希釈用としてメインに使うのは水です。水道水です。
水道水を使うと塗料がプラ材に定着しにくくなるんじゃないの?!と心配になるかもしれませんが、プラ材をしっかりヤスリがけしたり、プライマーを塗布したり、一発目に吹く時は薄っすら均一にしたりと、様々な回避策がありますし、塗料と溶剤による定着力を期待するよりはこれらの対策を講じる方が信頼性は高いです。これが塗料自体の定着力を下げてでも詰まりを改善するために水道水を使う理由です。
詰まりにお悩みの方々、水での希釈がお薦めです。
これである程度ニードルの先端で塗料が固まる問題をプチっと改善できますが、完全に解決する事は出来ません。なので、ツールクリーナーやシンナー等を付けた筆で定期的に固まった塗料を拭いてあげましょう。
因みにうちの水道水はミネラル豊富な超硬水なのですが、日本の軟水だったらどうなるんでしょうかね。違いってあるのかな⁈
2.塗料の通り道が盲点
さて、ここからが本題です。
ネットではこのニードルの先端の詰まりがよく話題に上がりますが、実際には別の場所でもっと深刻な問題が発生しています。なんでここが話題に上がらないのかが不思議です。
で、その別の場所というのは塗料がニードルの先端へと流れていく部分で、エアブラシのカップから見えない部分です。こことニードルに恐ろしい位に塗料が付着していきます。
お絵描きは下手糞ですが、図解してみました。
結構この見えない部分に塗料がこびりついています。
うがいしちゃえば大丈夫じゃないの?!と思うかもしれませんが、実際にはうがいだけではここに固着した塗料を取り除く事はほぼ不可能です。
ファレホ・・・に限らずとは思いますが、塗料は空気に触れると固まっていきます。うがいをすると必然的にこの塗料の通り道に空気も流れる事になるので、塗料が濃い状態でうがいをすると、うがいしながらも空気に触れた塗料が若干固着してしまう恐れがあります。濃度が濃ければ濃い程ねっとりと固着しやすそうです。特に実験した訳ではありませんがそんな気がします。実際には気の所為レベルの誤差かもしれませんけど。
なのでワテクシ的にはうがいは水を吹いた時に完全に色が出なくなってからやる事にしています。まだカップ内の液体に色が付いている状態ではやりません。更に言えばカップの奥の見えない部分に毛足の長い筆を突っ込んで可能な限り塗料を掻き出した上で透明になるまで水を吹き続けてからうがいします。
いずれにせよ、ニードルの先端に塗料が固まっているわけでもないのに上手に吹けないようであれば、この見えない部分での詰まりを疑って間違い有りません。
ワテクシが実際に使ってみた感じだと、どの位の頻度で詰まるかは使用した塗料やその濃度によって異なるみたいです。
どろ〜んと濃い塗料を吹き続けた時は詰まりやすいとか。または特定の金属系塗料を吹くとすぐ詰まるとか。
ここに固着した塗料は、別の塗料を吹いた時に溶けてくれません。多分ラッカー系塗料の場合は色を変えた時に新しい塗料の溶剤が若干溶かしてくれるので、それ程気にする必要は無いんだろうと思います(その代わり前の色が混じりますが)。しかしファレホ等の水性塗料の場合には塗料に含まれる溶剤ではここに固着した塗料を溶かすだけの力はまずありません。
なので、ここへ固着した塗料は奥まで届く程に毛足の長い筆や、歯間ブラシ等を使ってこそぎ落とすのが非常に有効です。その際にエアブラシクリーナー等の溶剤を使用すると更に効果的です。
3.詰まりにくくするには
最初に説明したように、まずは乾燥時間を遅くするために水で希釈するのが一番簡単な方法です。
そして次に解説したように、塗料を塗料の通り道に濃い状態で流さない事です。
これらを踏まえて各タイミングで詰まりにくくする方法は以下のとおりです。
[塗装投入前]
- 塗料をカップに入れる前に水でうがいと捨て吹きをして、塗料の通り道を濡らしておく。
- フローインプルーバーを数滴カップに入れて吹いて、塗料の通り道に直接塗料が付着しない様にしておく。
具体的に検証した訳ではありませんが、ハンドピース内が乾燥した状態で塗料を流すとべっとりと付きそうじゃないですか?! なのでそれを回避するために事前に濡らしてスムースにしておきます。
[塗装時]
- カップの蓋は閉じておく。
- 塗料をカップ内に沢山入れない。少しずつ入れて使い切りそうになったら、吹ききらずに更に追加するを繰り返す。
- 時々水だけを吹くようにする(捨て吹き)。
ファレホは放っておくとすぐ乾燥してしまうので、必ずカップに蓋をしておきましょう。また塗料をカップに沢山入れてしまうと全部吹ききるのに時間がかかってしまい、カップ内の塗料の表面が固まり始めてしまいます。また、カップ内の塗料を吹ききると、塗料の通り道に空気を送り込む事になるので、通り道の内壁に付着した塗料を乾燥させる要因となりますので避けましょう。
更に長時間塗料を吹き続けるような時は一旦塗料を吹くのを止めて、時々水だけを吹く「捨て吹き」をするようにしましょう。ニードルの先端や塗料の通り道に固着した塗料も症状が浅いうちに早めに改善できます。エアブラシクリーナーを使えば固着した塗料も溶かし易いですが、水の方がコストパフォーマンスが高いのでお薦めです。
[掃除時(塗料切替時等)]
- カップ内に水を入れてカップ内と塗料の通り道内を掃除用の筆で掃除して汚れた水をカップから廃液入れ等に出す。これを水が透明になるまで繰り返す。
- カップ内の水が透明になったらカップ内の水を暫く吹いて、透明な水が出ていくのを確認する。
- 吹いた水が透明な事が確認できたらうがいをする。
- 水でのうがいで透明になったら、エアブラシクリーナー等の溶剤を使ってうがいをする。
塗料の通り道には塗装時以外では可能な限り濃度の高い塗料を流さない方がいいです。なので空気を通してしまううがいはなるべく濃度が低い時にやった方がいいです。水で綺麗になった後でもエアブラシクリーナー等の溶剤を使うと結構塗料が溶け出す事があります。念には念の為で仕上げに溶剤を使うといいでしょう。
溶剤はお金かかってますからね〜。溶剤を使うなら、水を正に湯水のようにジャンジャン使ってから使いましょう。あ、お金持ちの人は別よw、ファレホ本社とボークスさんの懐が潤うようにジャンジャン溶剤を使いましょう。でも折角無臭のファレホを使うのですから、極力臭い溶剤は使いたくないですよね。
こんな感じで今では強力で超臭いツールクリーナーを使わずに、なるべく詰まらないようにしています。
それでも使用する塗料によっては詰まる事も多々あり、詰まりを完全に回避する事が出来ていません。でも以前よりもずっとマシになりました。
他にも色々とアイデアはありそうなので、皆さんも色々研究してみるといいと思います。
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